セールスコピーライティング普及協会

7)ビジネスオーナー向け 客単価アップがうまくいかない場合にやりがちな2つの間違いと、その対処法

7)ビジネスオーナー向け

単価アップ

こんにちは。セールスコピーライティング普及協会、認定ライターの石井です。

今回は、「客単価アップがうまくいかない場合のやりがちな間違いと、その対処法」というテーマでお話します。

有名な売上の方程式「売上=客数(集客)×客単価×購買頻度(リピート)」が示す通り、客単価アップは重要なテーマです。

低単価商品と比べて高単価商品は、顧客に価値を伝える必要がありますし、セールスに対するマインドセットも求められます。もちろん、商品力が求められるのは言うまでもありません。

しかし、客単価アップしたり、高単価商品を作ったりする際にうまくいかない場合は、次のような間違いをしている可能性があります。

私も会社を辞めて起業して5年以上経ちましたが、今から考えるとびっくりするくらい低単価な案件もこなしていました。

そこで、私の失敗なども踏まえて、客単価アップする際にやりがちな間違いについてお話しますので最後までご覧ください。

「新規顧客は安くリピーターは高く」の間違い

「忙しく働いている割には売上が安定しない」「新規顧客は多いけど対応が大変」という場合、新規顧客の単価を安くしてリピーターで高くしていないでしょうか?

実は、客単価をアップしてビジネスをさらに飛躍させるには、順番が重要なのです。

「初回お試し価格」「初月無料」を否定するわけではない

よく整体院やエステの施術メニューで「初回お試し9,800円⇒4,980円、2回目以降は9,800円」というのをよく見ます。

サブスクモデルのサービスでも、「初月無料、2ヶ月目以降から月3,000円」としているところは多いです。

もちろん、こういった客単価設定自体を否定するわけではありません。

最初はサービスを試してもらい、効果を実感してもらって納得した形で継続的に通ってもらうのは、売る人・買う人双方にとって大切です。

問題はサービスの集客・売上が軌道に乗った後

問題は、顧客がたくさん集まり売上が軌道に乗り「顧客が増えてきたので、これ以上引き受けるのが厳しいから値上げしよう」となったときです。

当然ながら、客単価がアップすれば、離脱する顧客はどうしても増えます。

新規の価格を上げれば新規顧客は離れますし、リピーターの価格を上げればリピーターが離れます。

これは働く時間を減らして売上を安定させるには多少仕方ないことですが、客単価アップを新規顧客とリピーターいずれかだけにすることはできます。

結論としては、客単価アップするなら新規顧客の方です。

新規顧客とリピーターの根本的な違い

すでにリピーターになってくれている顧客ということは、相性が良く、少なくとも顧客のことをよく理解できている状態です。

逆に新規の顧客の場合は、相性の善し悪しがわかりませんし、顧客のことをよく理解しないといけません。

顧客のことをよく理解するには、業種・業態によっては、それだけ調べる時間がかかったり、サポートに時間がかかったりします。

リピーターの場合は、その労力や時間をある程度省くことができるのです。

時給単価で考えれば、リピーターの単価アップより、新規顧客の客単価アップを優先した方がいいのは明白です。

そういう意味では「新規を安くリピーターは高く」は間違いで、「新規を高くリピーターは安く」が正解です。

新規顧客を値上げしてからリピーターも値上げする

しかし、もちろんリピーターに対する単価アップを否定するわけではありません。

特に起業したての頃は、実績を上げることやテストマーケティングを目的に、モニター価格でサービスを提供することもあるでしょう。

この状態で出会った継続の顧客に対してモニター価格でサービスを提供し続ける……。どう考えても生き地獄ですよね。

そのため、後述するように、あとから客単価アップすることを伝えておくことが必要でしょう。

また、新規顧客に対して単価アップして、しばらく様子見してからリピーターも後で客単価アップするということも、もちろん必要です。

「現在〇月以降に申し込まれた方に対しては〇〇〇〇円で提供していましたが、来月からそれ以前からのお客様も〇〇〇〇円で提供します」

といったものです。

徐々に「それでもあなたから買いたい!」という顧客を残すことができ、売上アップと働く時間とストレスの減少に繋がるでしょう。

モニター価格「初回だけ安くします」でよくある間違い

先ほど「初回お試し9,800円⇒4,980円、2回目以降は9,800円」「初月無料、2ヶ月目以降から月3,000円」の例を出しました。

また、高単価商品を作る過程で、最初だけモニター価格でサービスを提供している方は多いでしょう。

繰り返しますが、「初回お試しキャンペーン」や「モニター価格」といった価格設定は間違いではありません。

ただ、この「初回だけ安くします」がかえって逆効果になるということがあります。

顧客は価格だけで商品を選んでいない

客単価アップを図っている方であればご存知とは思いますが、顧客は何も価格だけで商品を選んでいません。

有名な「松竹梅の法則」を例にします。

顧客が単価だけで選ぶのであれば、みんな梅コースを選ぶはずです。

でも、松竹梅の法則は、真ん中の竹コースが一番売れるという法則です(売れる割合は松=2、竹=5、梅=3)。

竹コースが一番売れるのは「価格はそこそこ安くて満足できるモノを買いたい」という心理が働くためです。

余談ですが私は昨日、ニ〇リで掛け布団を買ったのですが、松竹梅の法則に乗せられて、真ん中の価格の掛け布団を買ってしまいました。

このように、顧客は無意識に価格だけではなく、商品力も見て商品・サービスを選んでいます。

いくら安くても粗悪な商品は誰も買いたくありませんし、多少高くても価値に見合った値段なら買います。

「初回だけ安くします」と言われると購入を躊躇する理由

前置きが長くなりましたが、「初回だけ安くします」と顧客に言って逆効果になる理由が、ここにあります。

例えば、将来的に客単価アップする商品をモニター価格で提供する場合、顧客に次のような提案をしていませんか?

「本来は20万円で提供する予定ですが、まだ始めたばかりで実績がないので今回だけ10万円で提供します」

これを言われた顧客はどう思うでしょうか?

「今だけ安いなら試しに申し込んでみるか」となる顧客もいるかもしれませんが、このような顧客は価格にウエイトを置いている顧客です。

そのため、客単価アップすると離れてしまう可能性があります。

そして、もう1つの顧客の反応パターンは次の通りです。

「もしかして商品に自信がないのかな。だったら申し込まない」

特に自分自身が商品となる無形サービスの場合は、顧客は商品力の判断目安として「相手の商品に対する自信」を無意識に意識します。

そのため、上記のような提案方法だと、顧客が商品力に対して不安になってしまい、申込みを躊躇してしまうのです。

顧客は安いという理由だけで買いませんし、買ったとしても単価アップの時点で離れます。

長い付き合いになる顧客ほど安いだけでは離れる傾向にありますが、商品力もしっかり評価してくれます。

モニター価格の提案方法

とはいえ、モニター価格の提案を否定するわけではありません。

起業当初は特に売上アップよりも実績アップに重きを置く必要があることもあります。

ただ、モニター価格の提案の伝え方は変える必要あります。

「本来は20万円で提供する予定ですが、まだ始めたばかりで実績がないので今回だけ10万円で提供します」

↓↓↓↓

「今回はお客様の声を頂き、実績としてHPに掲載することを条件に20万円⇒10万円で提供します」

これだったらどうでしょうか?

顧客には安くても価値は下がるとは思わないですし、しかもお客様の声や実績掲載を確約できるので一石二鳥です。

モニター価格でも商品力を下げない、商品に対する自信は持つというのが、将来の客単価アップに繋がります。

【まとめ】価値に見合った値上げをして売上を上げていく

以上、客単価アップがうまくいかない場合のやりがちな2つの間違いと、その対処法についてお伝えしました。

この2点だけでも、単価アップや高単価商品の構築がスムーズに進みます。

なお、客単価アップと成約率アップを同時に実現したい方は、以下の動画セミナーはとてもおすすめです。

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今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました!


この記事を書いた人

セールスコピーライター/ブックライター石井 裕

魅力とウリを掘り起こす セールスポイント言語化マニア 新潟県出身。東北大学大学院工学研究科修士課程卒。原子力技術者として13年勤務。趣味で書き始めたブログからの収入が月額20万を越え、密かに夢に抱いていたライターとして起業。 ▶︎マニアックな好奇心と探究心から生まれる徹底した取材で、商品・サービスの隠れた魅力を言語化することを武器としている。求人サイトで応募数前年比4倍、チラシでは反応率0.1~0.3%が標準といわれるなか最大23%、LP&ステップメールで申込数過去最大など、モンスター級の成果をたたき出す。最近はブックライターとして書籍制作にも多数関わっており、重版出来の実績も多い。 ▶︎プライベートでもその能力をいかんなく発揮し、2009年『県境マニア』を出版。TBSの「ゴロウ・デラックス」「マツコの知らない世界」、テレビ東京「たけしのニッポンのミカタ!」などテレビ出演多数。

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