9)その他、お役立ち わかっちゃった!理解が深まる、伝わる文章の極意とは?
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こんにちは。
セールスコピーライティング普及協会 認定ライターのかみばやしです。
最近よく、いろいろな方から「わかりやすい文章ってどう書いたら良いですか?」という質問をいただきます。
この質問の答えとして一般的に言われることのひとつに「10歳の子どもでも理解できる文章を書きましょう!」というものがあります。
10歳というと小学校4~5年生なわけですが、「そもそも小学校4年生の子どもがどの程度の文章を理解するものなのか」、「なぜ小学校4年生の子どもに向けて文章を書くと良いと言われるのか」という点について、小学校5年生の子どもを持つ私かみばやしが解説していきます!
ぜひ最後まで読んでくださいね。
そもそもなぜ小学4年生?
なぜ10歳=小学4年生の子どもが読める程度の文章がわかりやすいとされるのかというと、だいたい大人と普通に喋れる日常語彙が揃うのが小学4年生頃だからです。
小学4年生の語彙数が具体的にどのくらいなのかというと、だいたい10,000~20,000語であると言われており、日常的な日本語を9割理解できる目安とされる語彙数と一致しています。
また、日本語を母語としない人の日本語能力を測るための認定試験である「日本語能力試験」の合格目安と比較することで、語彙数10,000語がなにを意味するのかについてさらに深堀をしてみましょう。
日本語能力試験で最も難易度の高いN1レベルの認定目安は以下のように公表されています。
レベル |
認定の目安 |
N1 |
「幅広い場面で使われる日本語を理解することができる」 読む
聞く
|
(参考元:独立行政法人国際交流基金、財団法人日本国際教育支援協会「新しい日本語能力試験 ガイドブック」)
上記の日本語能力試験N1レベル合格に必要な語彙数の目安が約10,000語であり、抽象度の高い内容の日本語も理解できるレベルであるとされています。
さらに、小学校での国語の授業時間数からも小学4年生が理解できる日本語がどのようなものであるかを知ることができます。以下に具体的に見てみましょう。
学年 |
コマ数 |
時間換算 |
小学1年生 |
306 |
229.5 |
小学2年生 |
315 |
236.25 |
小学3年生 |
245 |
183.75 |
小学4年生 |
245 |
183.75 |
合計 |
1,111 |
833.25 |
※1コマあたり45分として時間換算。
(参考元:文部科学省「小学校 学習指導要領(平成 29 年告示)」より抜粋)
日本語能力試験のN1レベル合格に必要な学習時間の目安は900~1,200時間とされているので、小学4年生までの学習時間としてはわずかに及んでいません。
しかし、日本語を母語として使用する子どもの学習時間であること、また国語以外のすべての科目を日本語で学習していることから、遜色のない学習時間であると言って問題ないでしょう。
我が家でも、子どもが低学年のころは会話する中で「それどういう意味?」と聞き返されることが多く、「まだまだ日本語がおぼつかないな」と感じていました。
そして「聞き返される回数がだいぶ減ってきたな」と実際に感じるようになったのが、やはり小学4年生くらいであったことを記憶しています。
つまり、大人との会話を大方理解できる程度の語彙力が小学4年生ころに備わってきたということのひとつの証拠たり得るのではないかと考えられます。
もちろん、現在の子どもとの会話の中で聞き返されることが全くないというわけではありませんし、我が家の話は単なる主観的な事例ですので、その点は悪しからず。
小学4年生に理解できる文章ってどんなもの?
小学4年生の語彙数が10,000~20,000語程度であると言われても、具体的にどんな文章であれば理解できるのかはまだ想像がつかないかもしれません。
この問題の答えのヒントになるのが、子ども向けの書籍です。
実際に小学4年生程度の子ども向けに書かれた書籍を読むことで、どのくらいの難易度の文章を理解できるのか、ということがよくわかります。
おすすめ書籍を以下にご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
ちなみに、お子さんがいらっしゃる方はわかりやすい文章の書き方うんぬんとは関係なしにぜひ買ってあげてくださいね!!本当に良い本ばかりなので、自信を持ってオススメします!!
こども六法(著者:山崎聡一郎、出版社:弘文堂)
「大人でも敬遠したくなる法律の本?!」と思われるかもしれませんが、だからこそおススメしたい書籍です。
難しい法律の内容が子ども社会で実際にありそうなシチュエーションに照らしてわかりやすく説明されています。
小学4年生でもわかる文章がどのようなものかを知ることはもちろん、読む人(ターゲット)に合わせて難易度の高い内容をどう理解しやすく書くのかを知るという点でも大変参考になる一冊です。
こども孫氏の兵法(監修者:齋藤孝、出版社:日本図書センター)
兵法書のバイブルとして有名な「孫子の兵法」を「こども向け」に訳した一冊です。
必ずしも馴染みがあるわけではない、孫子が生きていたころの中国の背景説明ひとつ取っても、「こんなふうに噛み砕いて書けるのか!」と思うほどわかりやすいです。
内容的には戦いの教科書なのですが、転じて社会でも通用する世の中を生き抜くヒントとなっています。中には厳しい言葉もあるわけですが、「こんなふうに愛のある優しい表現に言い換えられるのだな」という点でも、とても参考になります。
こども「学問のすすめ」(著者:齋藤孝、出版社:筑摩書房)
かの有名な福沢諭吉の「学問のススメ」を子どもにもわかるように書いた書籍です。
「学問のススメ」の原文は文語で書かれており、正直かなり読みにくいのですが、わかりにくい原文とわかりやすい現代文が左右のページに対比されて書かれているので、文章のどの部分をどんなふうに平易に表現しなおしたのかが見比べやすいです。
また、子どもにもわかりやすいシチュエーションを使いながら、示唆に富んだ説明が詳細にされているので、抽象的な言葉をいかに具体的な内容で説明するのかという点でも参考になります。
「なんで勉強なんかしなくちゃいけないの?!」という子どもの疑問にアッサリかつ明確に答えてくれる素晴らしい書籍で、我が家では親子で愛読しています。
理解しやすい文章で自由自在に伝えましょう!
本稿では、なぜ「10歳=小学4年生の子どもでもわかるように」文章を書くと良いのかについて説明してきました。
理解できる文章の難易度は個人によって大きく異なり、故に考えれば考えるほどどう書いたら良いものかと悩んでしまう方も多いようです。
そんなときには、わかりやすい文章の基準とされる10歳=小学校4年生の子ども向けに書かれた書籍や文章を実際に読んでみることから始めてみるのもひとつの方法です。
但し、「一般的に」わかりやすい文章が10歳の子ども向けというだけで、「だれに向けて書いているのか」という前提を置き去りにして書いた文章はだれにも見向きされなくなってしまう!ということには注意が必要です。
極端な話、高度な専門用語を理解する医師や弁護士向けの文章を10歳でもわかるように書いたところで、「まどろっこしい」「専門用語を排除したことでかえって理解しづらい」というお叱りを受けることになるでしょう。それどころか、鼻から読まれず駄文扱いされることになってしまうかもしれません・・・。
大切なのは、あくまでも「だれに向けて書くのか」=「ターゲット設定」なのであって、ターゲットに合わせたレベルと内容で文章を書くことです。
そのためには、ターゲットと市場を日ごろからリサーチすることは欠かせませんし、そのうえでSNS・ブログ・Webページ・広告などでトライ&エラーを繰り返しながら商品・サービスのことを伝えることが必要です。
「善く戦う者は、その勢は険にして、その節は単なり。」
→地道な努力で、いざというときのために力をためておこう。
(「こども孫氏の兵法」(監修者:齋藤孝、出版社:日本図書センター)より引用)
日々の努力や練習で力を蓄えて、使いどころが来たら惜しみなく力を出し切ることで、大きな成果を得られるように虎視眈々と狙ってくださいね。
ということで、最後までお読みいただきましてどうもありがとうございました。
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この記事を書いた人
セールスコピーライターかみばやし りつこ
同志社大学法学部法律学科卒業。横浜市在住。 15年以上に亘り事業会社の企業法務、内部統制の担当者として数社を渡り歩く。契約書の作成・チェックを始め、社内業務の文書化を手がけた件数は1000件を超える。 働き方に悩む中、相手の真意や懸念点を正確に読み取り言語化してきた経験が活きると感じ、日本一のセールスコピーライター古山正太に師事。事実を正確に伝えることに加え、人の心を動かすライティングの手法を習得し、2019年3月に独立。 「アドバイス通りに実行してたった3日でクラウドファンディングの目標金額を達成した」「ゼロイチで立ち上げたビジネスで安定的に集客ができるようになった」「当社の営業員より商品・サービスのことを理解している」など好評を得ている。 現在は、投資・不動産・法律・教育関連のライティングなど幅広く活動中。