4)セールス 「希少性」は使い方を誤ると成約率の大幅ダウンに繋がる!
こんにちは。
セールスコピーライティング普及協会
認定ライターの中岡です。
先日更新した下記コラムでは、セールスにおける5つの心理的要素をお伝えしました。
<成約率の高いセールスに必ず反映されている5つの心理的要素>
https://scwa.jp/sales/seminorsales-five-psychological-element/
今回は5つの中のひとつ、希少性の原理について詳しくお話します。
希少性とは数が少ないと希少価値が高まり特別に感じてしまう…という人間の心理を使ったもの。
当然ですが、その辺にいくらでも転がっている物より、手に入りにくい物の方が価値があるので、欲しくなる気持ちも高まります。
ブランド品において、定番商品よりも数量限定品・期間限定品の方が、すぐに売り切れてしまうもの。
高単価な商品がすぐに売れてしまうのは、まさに希少性を使い刺激した結果なのです。
本コラムではこの希少性について、詳しくお伝えいたします。
名刺やHPなどの販促物、セミナーなど、あらゆるセールスに応用できる技術ですので、最後まで目を通してください。
希少性が人のココロを動かす理由
希少性は冒頭でお伝えしたように限定性を訴えた心理。
代表的な例だと「数量限定〇〇個」「先着××名様まで」など、スーパーの折り込みチラシなど身近なところで見たことがあるかと思います。
なぜこのように使うのかというと、人間は希少性に刺激されると2つの心理が働く生き物であるため。
その心理とは「魅力的に感じる」「買えない喪失感を味わう」。
魅力的に感じる
インターネットで簡単に欲しい物が手に入る昨今、いつでもどこでも買える物に対して、魅力が薄まりつつあります。
つまり、その辺で売られている物に対して興味が湧かず、価値を感じにくいのです。
このような心理のことをスノッブ効果とも言います。
すぐ手に入るということは多くの人が持っているということでもあり、他人と同じものは嫌…という購買意欲の減少に繋がります。
たとえば”在庫はたくさんあるので大丈夫!”と”在庫は10個と残り僅か!”というメッセージ。
どちらがセールスにとって効果的なのかは、一目瞭然ですよね。
買えない喪失感を味わう
希少性を訴えると「今じゃないと買えない」と思う一方でもう一つ生まれる真理があります。
それは「もう買えなくなる」という喪失的な心理。
人間はプロスペクト理論という、得をするより損をしたくないという思いが強い傾向にあります。
たとえば、以下の選択肢があったとして、どちらを選びますか?
①確実に90万円が手に入る
②85%の確率で100万円が手に入る
ほとんどの方が①を選ぶと思いますが、これは②だと15%の確率で何も手に入らない喪失感の心理を利用した上での結果。
読み手に「今を逃すと買えなくなる」という希少性のオファーを打ち出すことで、損失感を刺激できるということです。
セールスに使える3つの希少性
では、セールスに使える希少性について、どういったものがあるのでしょうか?
希少性は「数量」「時間・期間」「範囲」などがあります。
もしかしたら、”これは見たことがある!”、”私も使ったことがある”といった事例があるでしょうが、改めてご覧ください。
数量
希少性を訴える方法で最も分かりやすいのは数量を打ち出したもの。
人は数が少ないものに対して強く価値を感じるので、数量限定を訴えることで優越感に浸りたいという欲求が生まれます。
<例>
・1日10名だけに販売する高級梅干し
・世界で10本の限定モデルです
・この世に1枚しか存在しないトレーディングカード
時間・期間
読み手を急かしてすぐに行動させるということであれば、時間や期間を使ったメッセージが効果的。
かつては情報収集をするのに新聞・チラシやテレビしかありませんでしたが、現在はインターネットでの情報が主流。
ネット上はたくさんの情報があるため、その中から選ばせて行動させるには後押しやキッカケが必要です。
最近でも「本サイトは数時間後に見れなくなります」と、時間のカウントが搭載されたサイトを見ることがあります。
これもまさに”今すぐ行動しないといけない”と思わせるためのメッセージです。
<例>
・本イベントは3日間限定開催です
・午前中のみ値札から30%OFFで購入いただけます
・セール価格は本日のみ!明日以降は元の価格に戻ります!!
範囲
この範囲というのは、特別感・付加価値の的を絞るというもの。
動画配信サービスでも、その有料会員にのみ提供する映画、先行公開などといったものがあります。
商品・サービスへ更に付加価値を付けるため、対象範囲を設定することで希少性を高めるのです。
<例>
・本特典はメルマガ読者様にしか提供しておりません
・過去にご購入いただいた方のみの特別価格です
・もしご利用中に効果を感じなければ今だけ返金保証!
希少性を使う上での注意点
ここまでは希少性に関する話をお伝えしましたが、実は注意点が2つあります。
それは「違和感を持たせない」「伝えるタイミング」。
もし希少性を謳った言葉を使うなら、最低でもこの2つを抑えておく必要があります。
違和感を持たせない
チラシなどの広告で、数量限定や期間限定など希少性を謳った言葉を見ることがあるかと思います。
これは一見効果的に見えますが、広告内容や提供する商品・サービスによって、”本当に限定なの?”と疑われることがあります。
いくら数量限定とはいえ、その商品がもし世の中に溢れている物なら、お得感より疑いの目が掛けられることになります。
よくありがちなのが、これといった理由もないのに、希少性のメッセージを使って割引・値引きをする使い方。
たとえば、「○○名様限定で50%OFF」というメッセージがあったとします。
確かに早くお店へ行けば安く買えるので急ぐ気になりますが、その一方でこう思う方も出てきます。
”○○名様限定って言って、それが終わってもまだ割引するんじゃないの?”と。
つまり、希少性は万能ということではなく、訴えるならば理由や根拠も併せて伝える必要があるということ。
もし、先程のメッセージに「閉店することになり、在庫処分のため…」と読み手が納得できる理由があれば、怪しむ人も減るかと思います。
このように、違和感を感じさせないというのは希少性を使う上で重要なポイントです。
伝えるタイミング
希少性というのは、供給を需要が上回る状態を訴え、価値の高さを刺激する言葉。
ただ、価値の高さを伝えるだけでなく、タイミング次第では「あなた(読み手)のために準備されたオファーなんです!」と思わせることにも使えます。
では、どのタイミングが希少性の効果を発揮しやすいかというと、成約に結び付ける最終段階のクロージング。
「セールスに使える3つの希少性 時間・期間」の項でお伝えしたように、物でありふれた時代では最後の後押しが成約率に響きます。
インターネットやチラシで広告を見て商品が欲しくなっても、後押しがないとなかなか成約に踏み切ることが厳しい世の中。
そのため、クロージング時に希少性を伝えることによって、今買わないといけない理由が明確になり、読み手を行動させることができます。
クロージングではこの希少性が伝わるメッセージを入れることは必須です。
まとめ
今回のコラムでは希少性について、お伝えしました。
希少性は言葉の通り価値の高さを示すメッセージですが、セールスコピーライティングでは、読み手の背中を後押しする際にも使われます。
そして、単純にメッセージを織り込むだけでなく、なぜ希少性を打ち出せるのか理由・背景が重要であることもお伝えしました。
ぜひ、今回お伝えした内容を実践いただき、あなたのセールスにおいて少しでも成約率が高まることができれば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
この記事を書いた人
集まる!売れる!を実現する店舗専門集客士中岡 英也
1982年、広島市生まれ。 大学で情報工学科を専攻し、大手IT企業で10年間システムエンジニアとして勤務。 その後、実家の貴金属小売店に入社。ITスキルを駆使しSNSを活用した集客に取り組む中で、文章だけで人を動かす難しさを痛感。日本一のコピーライターに師事し、行動心理学やマーケティング理論を駆使した文章術を習得。その結果、高額品・嗜好品であっても、頭を下げずにお客様が来店する店舗集客術を確立する。 自社ブログでは1400件以上にわたり資産用の金(ゴールド)に関する記事を更新し、ブログ経由で3000万円の成約を獲得。 現在は、店舗専門集客士として、集客や売上に悩む店舗経営者をサポートするべく、広告の執筆や講演会など活動の幅を広げている。