セールスコピーライティング普及協会

2)セールスコピーの書き方 景品表示法・薬機法など広告規制を守り売上アップする文章とは?

2)セールスコピーの書き方

景品表示法・薬機法など広告規制を守り売上アップする文章とは?

こんにちは。セールスコピーライティング普及協会、認定ライターの石井です。

訴求力の高いコピーライティングで集客・売上アップしたいときに壁になるのが法律による広告規制です。

今回は上記の法律を遵守しながらも、訴求力を担保して集客・売上アップするポイントについてお伝えします。

最低限押さえておきたい広告規制のポイント

景品表示法、薬機法、健康増進法、医療法などの広告規制

このコラムだけで、各々の法律の広告規制をすべて網羅することはできませんが、最低限の必須ポイントだけは押さえてください。

知らないまま書いてしまうと、リーガルチェックした際に「全部書き直さないといけないじゃん」となってしまいます。

リーガルチェックの体制がなければ行政から指摘を受け、最悪課徴金納付命令、業務停止命令という流れになります。

最低限押さえるべき点を押さえておけば、あとは微修正で済ませることができるので、その点を解説していきます。

あらゆるコンテンツが対象|景品表示法

景品表示法の優良誤認と有利誤認

景品表示法は、あらゆるコンテンツマーケティングに関係します。

美容・健康業界に限らず、士業・コーチ・コンサル・スピリチュアルなどの無形商品の案件でも広告規制を回避したライティングが求められます。

景品表示法は大きく分けて優良誤認と有利誤認に分けられます。

誇大広告・虚偽広告に注意|優良誤認

商品・サービスが、実際のものでも「とても良い!」と思わせてしまうのが優良誤認。要は誇大広告・虚偽広告の類です。

過去に学習塾の広告で「国公立大学出身98%」と謳いながら実際は14%だったという違反事例がありましたが、これは優良誤認の典型例です。

次のような数値で示したキャッチコピーは訴求力が高いのですが、再現性があり、裏付けとなる根拠が明確であることを確認しましょう。

再現性がないのに「誰でも簡単に稼げる」ように見せてしまうと、誇大広告となるので注意が必要です。(もちろん事実であれば問題ありません)

「満足度」「成功率」「リピート率」「◯年で△件の実績」などの数値も、裏付けのある統計データを示しましょう。

また、上記のようなキャッチコピーは、事実でもFacebookやGoogleなどの広告審査にはNGとなる傾向が強いのが現状です。

一般的に広告審査は、法律より厳しめに審査されることが多いことを知っておきましょう。

優良誤認の違反事例はチェックしておく

また、優良誤認として指摘されることが多い事例はチェックしておきましょう。

多いのが「食べたカロリーなかったことに!」など特段の運動や食事制限をすることなく容易に著しい痩身効果が得られるような記載です。

健康食品に限らず、ダイエットコーチや痩身エステ、痩身用の下着などダイエットに関する案件は注意してください。

最近の有名事例では、ある有名人がプロデュースしたとされる加圧シャツが「着るだけで劇的変化」と謳い、課徴金納付命令を出されたことがあります。

お買い得に見せかける|有利誤認

有利誤認表示は、価格などで実際よりもお買い得となるような記載をしてしまうことです。

過去に誰もが知っている大手の法律事務所、整体院、たばこメーカーが課徴金納付や業務停止命令などの措置を受けています。

具体的には、次のように価格表示周りの表現に気をつける必要があるのが有利誤認です。

※打消し表示とは、以下のように「※」等の表記で根拠や適用条件を書いたものです。

打消表示の例

有利誤認については、「知っているか知らないか」だけの違いで、簡単なテクニックで対策できることが多いです。

消費者庁の資料やWebサイトなどで代表的な有利誤認の例を確認しておけばOKでしょう。

健康食品や化粧品を扱うなら必須|薬機法

薬機法の広告規制

健康食品や化粧品などを販売する際には避けられない薬機法。

アロマオイルや布ナプキン、除菌スプレーなどの雑貨品や医療機器も薬機法の広告規制対象ですが、ここでは健康食品や化粧品を中心に解説します。

それ、本当に薬機法関係ありますか?

「薬機法的に大丈夫ですか?」と聞かれたものの、そもそも薬機法の広告規制対象外であることが結構あります。

以下、よく見られるケースです。

前提を間違うと、「本当は書いて良いことを書かずに訴求力が担保できない」というもったいないことになるので注意しましょう。

【健康食品】これだけは知っておきたい3大ポイント

健康食品の場合は、とにかく次の3点を遵守して書くようにすれば、「全部書き直してください」ということは避けられるでしょう。

これに、後述する健康増進法も押さえておけば、サプリメントなどの案件は不安なくこなせるでしょう。

【化粧品】表現できる効能効果表現を押さえておこう

化粧品については、表現しても良い効能効果が決められています。

化粧品、医薬部外品、薬用化粧品で表現できる効能効果が違うことを押さえておきましょう。

まず前提条件の確認として、この分類のどれに当たるかは必ず確認しておきましょう。

なお、化粧品の案件を手掛ける際は、次のいずれかの最新の資料は持っておくと良いでしょう。

健康食品や食品に関わるなら必須|健康増進法

健康増進法の広告規制

食品として販売されているものについては健康増進法の広告規制が適用されます。

薬機法は厚労省の管轄ですが、健康増進法は消費者庁の管轄で、主に食品の誇大表示を禁じています。

詳しくは、以下の消費者庁の資料で具体的な禁止事項が書かれているので参考にしてください。

医療機関の広告なら必須|医療法

医療広告ガイドラインの広告規制

病院や医院・クリニックといった医療機関の広告には、医療法による広告規制が適用されます。

ただし、メディカルエステなど医師監修のエステサロンは医療広告規制の対象外となります。

医療機関の案件は医療広告ガイドライン遵守

詳しくは以下の厚労省の資料がわかりやすく詳細に解説されているので、医療機関の案件のときは手元に持っておきましょう。

必ず前提条件を確認すること

医療広告規制はかなり厳しいのですが、そもそも前提条件を確認するようにしましょう。

 

STEP1:そもそも広告なのかどうか?

医療広告ガイドラインで書いてある広告の要件を満たさなければ、広告ではないので、医療広告規制の適用外となります。

具体的には、以下のものは広告とはなりません。

 

STEP2:限定解除要件を満たすか?

医療広告と判断できたら、次は医療広告ガイドライン記載の限定解除要件の有無を確認しましょう。

限定解除要件を満たすことで、症例実績や件名を書けるようになるなど、多少は訴求力の高い表現が可能となります。

限定解除の要件の詳細は、医療広告ガイドラインをご覧になればわかりますが、以下のものは限定解除とできる可能性があります。

法律を守りながら売上アップする5つのポイント

広告規制と訴求力

以上、法律の広告規制で最低限押さえるべきポイントを紹介しました。

以上を踏まえ、薬機法、健康増進法などを守りながら訴求力を担保し、集客・売上アップ図るポイントを紹介していきます。

前提条件を必ず確認する

前提条件を確認する

コピーライティングで前提条件と言えば、ターゲット設定や流入経路などのことを言います。

それに加えて本当に法規制に関わるかどうかを念入りに確認しておきましょう。

先に書いたように、薬機法や医療法については「それ法律の対象ではない」ということが結構あります。

なお、法規制回避が判断できるようになると、戦略的に法規制を回避する方法を提案することも可能になるでしょう。

大手企業や医療機関のHPやLPを参考にする

TTP

TTP(徹底的にパクる)と言われるように、オマージュするLPやHPをいくつも持って保存するのはコピーライティングの基本。

特に薬機法や健康増進法などについては大手企業が広告規制のチェック体制を整えています。

医療法であれば、自費診療を中心としている、誰もが知っている有名なクリニックが同様にチェック体制を整えています。

このような大手企業や有名な医療機関の広告は、法律を遵守しながら、訴求力の高い言い換え表現をしています。

このようなHPやLPを見つけたら、PDFで保存しておき、ストックすると良いでしょう。

最低限のポイントだけ注意してとにかく書いてみる

薬機法や健康増進法のライティング

最初に「最低限押さえておきたいポイント」を紹介しました。

あまり法律を気にせずに書いてしまうと、先に書いたように手戻りが何回も発生したり、無駄な工数が発生してしまいます。

だからといって、広告規制の細部に至るところまで理解してから書こうとすると、今度はなかなか筆が進みません。

最低限必要なポイントだけ押さえたら、TTPするLPをいくつか用意しておき、とりあえず書いてみることが大切。

大枠となるところだけ押さえておけば、「全部書き直し」というリスクは免れ、あとはブラッシュアップするだけで良くなります。

法規制を逸脱しやすいのはヘッダー、メカニズム、客声

広告規制の逸脱

サプリメントや化粧品などの案件で多いLPや記事LPの執筆では、特に法規制に特に注意しないといけない箇所があります。

それがヘッダー、メカニズムの説明、客声です。

このあたりのパーツを書く際は、特に法規制から逸脱していないか注意して書きましょう。

ヘッダーは文字少なめに画像も使いながらスッキリと表現

サプリメントや化粧品のLPを見てみると、文字が少なめでスッキリして、ジャンプ率も高くメリハリがあるのがわかります。

特にサプリメントや化粧品は、主に女性をターゲットとしていることが多く、文字を詰め込むのは法遵守や訴求力両方の点で不利です。

よく見ると、意味が通じる範囲で主語や述語を省いたり、「ピーン」「イキイキ」「ぷるん」という擬音語を使っているのを多く見ないでしょうか?

これらは薬機法などの法規制を回避しつつ、直感的に意味が伝わるように言い換え表現をしているのです。

これは、ヘッダーの内容を詳細に書くメカニズムの説明などにも同じことが言えます。

客声は効能効果に関する表現は言い換えが必要

サプリメントや化粧品の広告も、お客様の声はNGではありませんが、薬機法の規制で効能効果や症状・病名に対する記載ができません。

そのため、健康食品の味や飲みやすさ、化粧品の使い勝手といった使用感を掲載することになります。

また、愛用している感じを出しても良いでしょう。

あとは、「何使ってるの?とよく聞かれます」「いつもアクティブと言われます」など、友達や家族から言われる表現もよく使います。

医療広告はお客様の声はNG

なお、医療機関の広告は基本的にお客様の声そのものが掲載NGであることが医療広告ガイドラインで定められているので注意しましょう。

そのため、大手のクリニックなどは、院内掲示などで患者さんの感想を掲載したりしています。

院内掲示であれば広告の要件を満たさないので、基本的には効能効果表現禁止などの制限はありません。

開発秘話はしっかりと書く

開発秘話のライティング

開発秘話や商品への想い、理念などについては、法規制逸脱の懸念があまりないところです。

顕在ニーズに訴える箇所ではないものの、読者の信頼性を高めたり、共感されて購入を促せるパーツです。

開発のきっかけやストーリー、「なぜ売っているのか?」ということは一貫性を保ちながらしっかり書くようにしましょう。

【まとめ】最低限のことは注意してとにかく書き上げることが大事

以上、景品表示法や薬機法など、広告規制に関わる法律を遵守しながら集客・売上アップを図るポイントをお伝えしました。

業種によって守るべき法律が変わりますが、最低でもこの手順は守るように書けば、何度も手戻りが発生しなくて済みます。

健康食品や化粧品、医院・クリニックの広告などを手掛ける際の参考になれば幸いです。


この記事を書いた人

セールスコピーライター/ブックライター石井 裕

魅力とウリを掘り起こす セールスポイント言語化マニア 新潟県出身。東北大学大学院工学研究科修士課程卒。原子力技術者として13年勤務。趣味で書き始めたブログからの収入が月額20万を越え、密かに夢に抱いていたライターとして起業。 ▶︎マニアックな好奇心と探究心から生まれる徹底した取材で、商品・サービスの隠れた魅力を言語化することを武器としている。求人サイトで応募数前年比4倍、チラシでは反応率0.1~0.3%が標準といわれるなか最大23%、LP&ステップメールで申込数過去最大など、モンスター級の成果をたたき出す。最近はブックライターとして書籍制作にも多数関わっており、重版出来の実績も多い。 ▶︎プライベートでもその能力をいかんなく発揮し、2009年『県境マニア』を出版。TBSの「ゴロウ・デラックス」「マツコの知らない世界」、テレビ東京「たけしのニッポンのミカタ!」などテレビ出演多数。

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