4)セールス 「欲しい!」を引き出すセールスの3要素
こんにちは!セールスコピーライティング普及協会の吉村です。
ご存じのように、セールスを成功させるためには、たくさんの知識やテクニックが必要です。例えば、
・セールスのはじめに注意を引く
・商品の特徴ではなくベネフィットを伝える
・「今買う理由」をプレゼンする
といったようなことです。
ですが、実はこういったテクニックをいくら知って実践しても、決して「本当に売れるセールス」にはならないということをご存知でしょうか?
というのも、いくら知識やテクニックを蓄えたとしても、セールスで一番大切なポイントを押さえたことにはならないからです。
では、それは一体何かというと、「人の感情を動かす」ということです。
人は「感情」の生き物
なぜセールスにおいて、人の感情を動かすことがそれほど大事なのでしょう?
それは、「論理」よりも「感情」の方が人を動かす力が何倍も強いからです。これは、ちょっと考えてみるとわかります。
✔️頭では甘い物を食べてはいけないことがわかっているのに、コンビニで甘い物を見るとついつい買って食べてしまう
✔️スマホの見過ぎが良くないことはわかってるのに、通知が来るとついついスマホを見てしまう
✔️怒らないようにと心に決めていたのに、ついカッとなって怒ってしまった、、、
といった経験はないでしょうか?食べたい、見たい、そして怒りの感情はとても強力なのです。そしてもちろん、これは買い物をするときにも当てはまります。
あなたは買い物をするとき、
「これは◯年使えるから十分元が取れるな」
「これで仕事がかなり効率化できる」
という論理的な考えで買っているように思うかもしれません。
ですが実は、脳科学的に見ると
「これがあれば仕事のモチベーションが上がるから!」などという理由があるから「欲しい」という感情が生まれるのではなく、
まず最初に「これが欲しい!!」という感情が生まれて、それを正当化するために「仕事のモチベーションが上がるから」という理由を作っている
ということがわかっているのです。多くの人が考えているのと順番が逆なんですね。
だから、セールスする側になって考えてみると「この商品が必要な理由」をいくら論理的に説明しても、お客様は欲しいと思って買ってくれることはないのです。
そうではなく、セールスする上で一番大切なのは、お客様に一瞬で「これ欲しい!」と思ってもらうことなのです。では、一体どうすれば、お客様の感情を動かすことができるのでしょうか?
ここからは、
・友情
・権威
・将来の希望
という3つのキーワードを使ってその方法をお伝えしていきましょう。
友情
セールスで相手に「欲しい!」という気持ちを抱かせる方法の一つ目が「友情」です。
これは言葉の通りで、人は仲が良い人から勧められた物は欲しいと思って買いやすい、ということです。
たとえ自分がそこまで興味がない本や映画でも、仲の良い友達からお勧めされると少しは気になるのではないでしょうか?
そして、全く同じ物をお勧めされる場合でも、全く自分と関係がない初対面の人にお勧めされる場合よりも、自分と仲が良い人に勧められた方が欲しくなるのではないでしょうか?
これが「友情」の力です。
では、どうすれば人と仲良くなれるのか?ポイントは「同じであることを示す」ということです。
人は自分と似ている人を好きになり、自分と違う人に対しては警戒心を抱きます。
例えば仕事で失敗ばかりして悩んでいるのに、人生で失敗を経験したことがないエリートから「全然大丈夫だよ!」と声をかけられても全く嬉しくないでしょう。敵意すら抱くかもしれませんね。
一方で、同じく仕事で失敗ばかりしていたけど、一念発起してそこから仕事でバンバン成果を出せるようになったという人から「大丈夫だよ!」と声をかけられたらどうでしょうか?
恐らく嬉しいはずですし、その人のアドバイスなら喜んで聞くと思います。
だから人と仲良くなろうと思ったら「私とあなたは同じですよ」というメッセージを発する必要があるのです。
具体的には、
・過去に同じ経験をしたことがある
・同じ失敗をしたことがある
・同じ「負の感情」を持っていたことがある
ということを相手に伝えるのです。
セールスの場面でもこういったことを聞き手に伝えることで、あなたの提案はより受け入れられるようになるでしょう。
権威
2つ目のポイントは「権威」です。
人が何かを欲しいと思う理由の一つには「安心」というものがあります。
要するに何かを買って失敗や後悔をしたくないのです。
そこで人が何を頼りにするかというと、スバリ権威なのです。もっと具体的に言うと、
・医者や専門家の意見
・科学的な根拠
といったことなのです。
専門家の意見であれば普通の人の意見より信頼できる
専門家の意見であれば間違いない
そういったイメージを持っている人も多いでしょう。
海外で「人は権威にどれくらい弱いのか」を調べるために行われた興味深い実験があります。
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白衣を着た男性が被験者Aに向かって、「このボタンを押すと隣の部屋にいる被験者Bに強い電流が流れます。」言ってボタンを押すように促したのです。
被験者Aが恐る恐るボタンを押すと、電流が流れて被験者Bが苦しみはじめます。部屋にはガラス窓がついていて被験者Bの苦しむ様子が見えるようになっていました。
被験者Aは内心、「こんな実験は一刻も早くやめたい」と思っているのですが、白衣を着た男性は「これは実験ですから従ってください」と言い、さらに強い電流を流すように指示します。
そして結局、被験者Aは実験を継続し、最大レベルの電流を流すに至ったのです、、、。ちなみに、白衣の男性は医者ではなく医者の格好をした研究者でした。
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この実験から、人は権威の言うことにはいとも簡単に従ってしまう、ということがわかりますよね。
私たちも普段、何かわからないことや解決したいことがあれば、その道のプロや専門家に相談したいと思いますし、彼らからサービスを受けたいと思いますよね?
だから、売り手になって商品やサービスをセールスする際には、
1)自分が何らかの分野で専門家に見えるようにする
2)自分の商品やサービスに科学的な根拠がある、もしくは医者や専門家の推薦がある
という見せ方をすることが大切なのです。
「自分が専門家なんて、、」と思う方もいるかもしれませんが、自分の職業のことについては、普通の人の何十倍も詳しいはずです。ぜひ、自信を持って専門家のポジションを築いていってください。
将来の希望
最後のポイントは「将来の希望」です。
これは、「お客様の将来実現したい夢や目標が達成できますよ!」と伝えることです。
商品を販売する立場になるとついつい忘れがちになるのですが、お客様は「商品そのもの」が欲しいわけではありません。
商品を買った先にある「未来の結果」が欲しいのです。例えば、
在宅ワーク用の机と椅子を手に入れたいのは、自宅での快適な作業空間が欲しいから
乾燥機つきのドラム式洗濯機を手に入れたいのは、もっと自分の自由な時間が欲しいから
セミナーに参加してマーケティングを学びたいのは、起業して今よりも収入を増やしたいから
といった感じです。それなのに多くの人は
「この椅子は◯◯という木材を使用していて、、」
「この洗濯機は◯キロまで洗濯できるので、、」
「このセミナーでは◯◯が学べます!」
といったように、商品の特徴ばかりをプレゼンしてしまうのです。これではお客様の感情は動きません。
お客様の感情が動いて「商品が欲しい!」と思うのは「これを買えば自分の望んでいる未来が実現しそう」と感じた時です。
だから、セールスをする際には、
・それを買ったらどんな良いことがあるのか?
・どんな夢や目標が叶うのか?
・どんな気持ちになれるのか?
・周りの人からどう見られるようになるのか?
といった、商品を買った後の未来について語るようにするのです。
これがマーケティング用語でいう「ベネフィットを伝える」ということです。
そして、ここが一番大切なのですが、「お客様はどういう未来が理想だと感じているのか?」といったことは究極的にはわかりません。なので、直接聞いたりアンケートを取ったりすることでお客様の理想の未来を把握するようにします。
ここを怠って、「恐らくこういう未来を望んでいるだろう」と推測でセールスしてしまうと、的外れなものになってしまうので要注意です。
まとめ
今日は、人は論理よりも感情で物を買うということ、そしてそのための3つのポイントについてお伝えをしました。
簡単にまとめると、
1友情
「あなたと私は似ていますよ」というメッセージを送ることで仲良くなる。仲が良い人の言葉は受け入れられやすい。
2.権威
人は権威や専門家の意見にはとても弱い。何らかの専門家のポジションをとってセールスをする。
3.将来の希望
人は商品そのものではなく、商品を買った先の未来が欲しい。「これを買うと、こんな素敵な将来が手に入ります」とプレゼンする。
といったお話でした。
これらの3要素は非常に強力なので、1つ取り入れるだけでも効果があるでしょう。ぜひ普段セールスをされている方はできそうなものから試してみてくださいね。
この記事を書いた人
セールスコピーライター吉村 大樹
愛知県名古屋市に在住。名古屋大学に在籍。 人の思考や行動に興味があり、現在までに哲学、心理学、歴史学など幅広い分野の本を1500冊以上読破。 一方で、自分の経験や気づきなどの本からは得られない情報も重視する。 読書で得た知見を活かし、人のニーズを読み取ることを得意とする。 大学3年次に、人を動かす文章術=コピーライティングに出会い、言葉の力で億を売り上げるセールスコピーライター古山正太に師事。 これまで、整体院向けセミナーのLP、一般向けのイベント集客用チラシなどを手がける。集客用チラシでは、平均の6倍の反応率を記録。 現在は「言葉の力で商品・サービスの価値を100%伝える」を使命に、本当に価値のある商品・サービスを世に広めるべくチラシ、LP制作を行っている。