2)セールスコピーの書き方 女性向けライティングのヒントは少女マンガ!?
セールスコピーライティング普及協会 認定ライターの大木です。
セールスコピーライターの仕事の中で、最も需要が高いと言っても良いものの一つが「女性向け商品」のライティングです。
しかし、需要の高いにもかかわらず、専門家が少ない女性向けライティング。
女性の心というのは女性自身でもしばしば「めんどくさい」と表現するように、非常に心変わりが激しく、気ままで奔放なもので捉え所がないもののため、女性ライターでさえ匙を投げることもよくあることです。
そこで、今回はそんな難易度の高い女性向けライティングを簡単に行うことができる可能性のある方法をお伝えします。
今回、ヒントになるのが、女性・少女向けマンガです。
なぜ女性・少女向けマンガなのか、どのように活用するのかについてまとめましたので、ぜひ参考にしてみてください。
なぜ女性・少女マンガが参考になる?
NTTレゾナント株式会社が発表したマンガに関する調査によると、普段からマンガを読む女性は実に20代の女性の80%を超えています。
つまり、20代の女性のほどんどの女性が実はマンガを楽しんでおり、心を掴むストーリーが女性・少女マンガに含まれていることが示されているのです。
また、同調査では、40%を超える人気を誇っているのがラブストーリーとのデータもあります。
20代女性の生活にとって欠かせない「ラブストリー系女性・少女マンガ」はその嗜好が反映されたものであり、女性心理を紐解くのにも参考になると考えられます。
女性・少女マンガの王道パターンとは?
女性・少女マンガにはいくつかの王道があります。
もちろん細かい設定が異なったり、背景が異なる場合は多くありますが、今回はその中でも目立つパターンとして下記のようなストーリーを例にしてみます。
1 | ある日、ごく普通もしくは冴えない主人公が学校一だか会社一のイケメン、学業優秀もしくはエリートな男性と出会う |
2 | イケメン男性との小さなエピソードのなかで、一つ一つイケメン男性にとって自分が恋愛対象なのではないかとキュンキュンする |
3 | イケメン男性が主人公に告白する |
4 | 両思いになりしばらくはラブラブ展開 |
5 | ところが両想い前後で、もう1人のよく見りゃイケメンだったという幼なじみだか同期などという昔からの気のおけない男友達が実は好きだったと言い出す |
6 | 揺れる主人公。嫉妬するイケメン彼氏に不謹慎ながら喜ぶ主人公 |
7 | 最終的にはイケメン彼氏を選ぶ |
8 | ところは今度はイケメンが浮気しているのではないか、モテるし…ともともと普通もしくは冴えない主人公はうじうじ言い出してしまう |
9 | 浮気は潔白。現実では考えられないほどの甘い台詞で2人は仲良し。ハッピーエンド |
ラブストーリーの王道をLPパーツに置き換えてみる
女性の購買行動にはしばしば「一目惚れ」という恋愛表現が使用されます。
つまり、商品を購入する時に一種の恋愛行動と同じ心理的動きがあると言い換えることも可能です。
現実の恋愛にはお相手の男性の意向や好意が必要になるため、マンガと同じように事は進みませんが、購買においては自分の財布次第ですので、ある意味漫画のストーリーと同じように自分の脳内で夢の通りの方法で事を進めることができるという点で、夢見る女性にとっては好都合の行動になるのです。
では先ほどの表に購買を促すLPの要素を当てはめてみます。
1 | ある日、ごく普通もしくは冴えない主人公が学校一だか会社一のイケメン、学業優秀もしくはエリートな男性と出会う |
【ターゲットに夢を見せるファーストビュー】 シンデレラ願望の表現。ターゲットの持つ隠れた欲望をかなえてくれるかもしれないという希望、期待 |
2 | イケメン男性との小さなエピソードのなかで、一つ一つイケメン男性にとって自分が恋愛対象なのではないかとキュンキュンする |
【こんなお悩みありませんか?などのターゲットの悩みを紐解き同意を得る項目】 ターゲットと自分が一致することの確認し、間違いを犯さないよう慎重に判断 |
3 | イケメン男性が主人公に告白する |
【商品の提示】 求めているものはこれだ!という白馬の王子様、救世主の登場 |
4 | 両思いになりしばらくはラブラブ展開 |
【お客様の声や効果効能】 手に入れた後の夢やこれから叶えていけるであろう効果効能を堪能する。 |
5 | ところが両想い前後で、もう1人のよく見りゃイケメンだったという幼なじみだか同期などという昔からの気のおけない男友達が実は好きだったと言い出す |
【他社・他商品比較】 自分の選んだものが本当に一番よかったものか、比較検討する。間違いのない、失敗しない道を選びたいという欲求 |
6 | 揺れる主人公。嫉妬するイケメン彼氏に不謹慎ながら喜ぶ主人公 |
【良さの再確認】 どの角度から比較しても、自分の選んだ商品が間違いではないという確証を得たい |
7 | 最終的にはイケメン彼氏を選ぶ |
【商品の再登場】 最終的には自分の最初の直感が正しかったことの証明。見る目があるという優越感 |
8 | ところは今度はイケメンが浮気しているのではないか、モテるし…ともともと普通もしくは冴えない主人公はうじうじ言い出してしまう |
【最後の特別オファー】 失敗したくない、恥を描きたくない、無駄金を払いたくないという最終的な比較。私だけのものを確証し、背中を押す材料と自分だけの特別感欲しい。 |
9 | 浮気は潔白。現実では考えられないほどの甘い台詞で2人は仲良し。ハッピーエンド |
【追伸など、最後の一押し】 背中を押され、間違いない、これなら失敗しても後悔しない!と言える確証を得て購入する。 |
いかがでしょうか。
女性向け商品王道であるサプリメントやエステなどのLPと比較しましたが、構造が酷似していました。
つまり、女性のシンデレラ願望や失敗したくない心理、他者よりも良いものを選びたいというマウンティング心、最後の最後まで背中を押してもらい一歩を踏み出したい気持ちが現れています。
趣味嗜好から女性の購買行動を考察してみる
今回は20代女性に人気のマンガから女性の購買行動を考察してみました。
女性は購買意欲が高く、またリピート行動を取りやすいため、女性の購買を促進することは商品を販売する上で欠かせません。
そのため、多くの経営者、ライターは女性向けライティングに果敢に挑戦し、今も試行錯誤しています。
もちろん正解はありませんし、時に奔放な女心に振り回されてしまうこともあります。
そんな時は、少し目先を変えてターゲット層の趣味嗜好に目を向けてみるのも必要な目線です。
「なぜその趣味が好ましいのか」ということがわかれば、自ずと答えが見えてくることもあります。
また、今回はストーリーから構造についてまとめてみましたが、セリフなどについても女性の好みがわかることもあります。
言い回しやタイミングなど、参考になる場面が多くあることも興味深く、たかがマンガとはいえません。
女性心理に行き詰まったと感じたら、息抜きも兼ねて女性・少女マンガにも目を通してみることも新しい発見があって楽しいものです。
ぜひ、お試しください!
この記事を書いた人
セールスコピーライター大木 梨香
日々社内で発生するライティングにマルチに対応。コンテンツ執筆、求人広告、セミナー集客、パンフレット作成、SNS投稿、プレスリリース、営業提案書などあらゆるライティングに対応。クライアント企業を知り尽くしているからこそ、スピード感を持った発信ができると好評。